2011/05/01

作家Q&A: 井上仁行さん

早いもので、いよいよ5月に突入しました。
さて、"garden"展作家インタビュー、20人目は立体造形のエキスパート、そしてコマ撮りもこなすアーティスト集団「パンタグラフ」のメンバー、井上仁行さんです。

Q: 今回の「GARDEN(FREE HAND 3D)」、まさにタイトルどおり、3Dで楽しめるぱらぱらマンガです。(添付の赤青メガネを装着して鑑賞)殆どの方は初めての体験だったと思います。ホントにビックリさせられました。昨今の3D映画の普及が影響したのでしょうか?それとももっと以前からこのアイディアや作りたい衝動があったのですか?

A: 昨今の3Dの流行は思いっきり意識しました(笑) やるなら今の時期しかないなぁと。学生時代に、赤青ペンを使って手描きの立体視イラストを試したことがあり、今回はそれをぱらぱらマンガに応用しようと考えました。個人的にぱらぱらマンガは「メモ帳に手描き。一点モノ!」と思い込んでいますので「PCや印刷機を利用せずメモ帳と赤と青のペンだけで描いたメガネで飛び出るぱらぱらマンガ」をつくろう、と最初に決めた次第です。ややこしいですね。




Q: あまりにキレイでしばらく気づかなかったのですが、各ページの原画、これ手描きオリジナルなんですね!井上さんは「パンタグラフ」の一員として大変精巧な立体作品を作り続けていますが、繊細な作業は元々お好きだったのですか?繊細さはぱらぱらマンガ作りに向いていると思いますか?

A: 僕は携帯ストラップの原型制作なども行っていますので、精巧な立体造形は好きな作業です。が、イラストは普段描きませんので手描きはすごく苦手です! 見苦しくならないよう、とにかく丁寧に描くように心がけました。そうそうたる、ぱらぱらメンバーの中でイラストで勝負するとは我ながら無謀だったと思います(笑) 



Q: 「ガーデン」というテーマ自体についてはどう感じましたか?自分の作品に、どう反映させようと思った?

A: 最初に聞いたときは難しく感じましたね。でもそういったきっかけがあることで作品に取りかかりやすかったり、会場に統一感やテーマが揃ったので良かったと思います。「ガーデン」という言葉にはいろんな意味が含まれているように思います。僕の場合は広がりを感じたり、ミクロ・マクロな視点の対比の面白さだったり、そういうイメージを持ちながら作品に反映させました。ガーデンやぱらぱらマンガはとにかくピースフルなイメージ。他の展示作品の中では毒のある作品がギャップがあって印象に残っています。


Q: 今回の作品作りで苦労をした点、発見した事、ここは注目して欲しいというポイントがあったら聞かせて下さい。

A: 今回は、PCや印刷を通さず、手描きした原画そのものを展示しました。ナマ手描きしたものをお客さんに直接手に取って見て頂けるところに面白さを感じました。お客さんとの不思議なつながりを感じましたね。二度と同じ物を描けないのでブックの破損を心配したのですが大丈夫でした。みなさん丁寧に見て頂いてありがとうございました(笑)


井上さん、どうもありがとうございました。
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造形工作 アイデアノート
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