2010/06/18

作家Q&A: PIXEL ANIMATIONさん

vol.3 "garden"展作品&作家紹介、4人目は、CGデザイン&アニメーションを手がけ、銅版画作品も作るPIXEL ANIMATIONのヤマダさんです。


Q: 今回「Garden」と「Flower Ride」2点提出してくださいました!
この2点はセットとして着想したのですか?それとも全く別もの?

A: 別のものです。
当初は「Flower Ride」のみの出展予定でしたが、完成したときにあまりにもこじんまりとした地味な印象だったので、これだけではいかんと思い急遽もう一作出展しようと思い立ちました。このとき展覧会初日の約一週間前でした。
そしてさすがにこの短い期間でもう一点制作するにはゼロから作っていては間に合わないと思い、
過去に制作した人の顔がアルファベットに変形する習作「G」を一部作り直して「Garden」を作りました。



Q: 画の世界観は2点どちらもPIXEL ANIMATIONらしさを保って ますが、手法が大きく違いますね。(デジタル画&プリントと、銅版画)
印刷用紙もそれぞれ違うものを使ったのですか?製本方法は同じですか?

A: 印刷用紙は違いますが、製本方法は同じ(手作り)です。
「Garden」(パソコンで絵を描いた作品)はごく一般的なインクジェットプリンタ用の光沢紙を使っています。
「Flower Ride」(銅版画の作品)は当初はケナフという版画用紙の使用を考えてましたが、テスト製本してみたところ、紙が厚過ぎてぱらぱらしづらく、かつ製本したとき無駄に分厚くなってしまったので画材屋さんでもっと薄手で風合いのある紙を数種類買って来て、最も刷り具合の良いものを使用することにしました。


Q: ガーデンというテーマについてはどう感じましたか?自分の作品に、どう反映させようと思いましたか?

A: 前回の「食」と比べると随分おしゃれで女性好みなテーマ(偏見かもしれませんが)だなという印象を受けました。
なのであえておしゃれでも女性好みでもない作品にしようと思っていました。

というのはウソで元々こういう作風なので自然におしゃれでも女性好みでもない作品に仕上がりました。
モチーフにアリを選んだのは、昆虫だったら自分の作風を殺さずにテーマに沿った作品が作れそうだと思ったからです。
展示中に来ていただいた若いお母さんと娘さんのお客さんが自分の作品付近で「うわ、何これ気持ち悪い!」と
思わず叫んでいるのを目撃したのがとても印象に残っています。


Q: 今回の作品作りで苦労をした点、発見した事、ここは注目して欲しいというポイントがあったら聞かせて下さい。
(2つそれぞれの 作品の事でも、全体的な事でもいいです)

A: 銅版画でぱらぱらマンガ制作というのは自分としては初の試みだったのですが、実際に作ってみると、思った以上に時間と手間ひまがかかるということが判りました。
しかしまだ銅版画ならではの表現というところまではいかなかったと思うので、今度挑戦するときは今回の反省をいかした自分なりに納得できるようなものが作れるようになりたいです。

皮肉な事に今回の2作品のなかでは気合いを入れて制作した「Flower Ride」よりも、数合わせ的な動機で制作した「Garden」の方がより自分らしさが出た作品になっていると思います。


ヤマダさん、ありがとうございました!


(「Garden」の1頁)

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